海で学び、働き、そして遊ぶ
釜石の暮らしは海とともに
Iターン
鵜住居エリア
佐藤啓太さん 奏子さん
Keita SatoKanako Sato
釜石の復興まちづくりに参加
ITエンジニアとして働いていた佐藤啓太さん(愛知県出身)が釜石と繋がったのは、東日本大震災後の2012年5月ごろ。復興ボランティアとして足を運ぶうちに、「何度も顔を合わせる地元の人たちが親戚のように感じられてきた」と言う。東京で働いていた啓太さんが釜石に移り住み、「釜援隊」(復興まちづくりを支援する団体)に参加したのは2017年11月のこと。「中途半端なことはしたくない」と考え、期限は決めなかった。派遣された「NPO法人おはこざき市民会議」では、釜石東部にある8つの漁村の復興まちづくりに取り組み、課題の話し合いや地域の子どもたちとの漁業体験など多岐にわたる活動をしている。活動を通して妻の奏子さんと出会い、今は子育てにも奮闘中。今後は「漁船クルージングのように人々が海を楽しめる体験を開催したい」と考え、船舶の免許を取得した。目標達成のためにも漁師を目指し、最近は朝4時に起きて小型定置網を使ったイワシ漁の手伝いをしている。将来を見据えた啓太さんの“トライ”はこれからも続く。
子どもたちの漁業体験活動を行っている。
釜援隊終了後も続けていきたいと語った
海のまちでの子育て。普段は子どもをお風呂にいれたり寝かしつけたりするなど、育児にも取り組んでいる
街と大自然が近いのが魅力
フリーカメラマンとして活動していた奏子さん(東京都出身)。環境にやさしい車のプロジェクトで花巻を訪れた際に震災を経験した。そのまま震災後の緊急支援で釜石を訪れ、「気づいたら釜石に住んでいたんです」と振り返る。啓太さんと結婚後、一児を里帰り出産。「釜石は産婦人科が充実するともっと安心できますね」。現在は鵜住居にある根浜海岸観光施設「根浜シーサイド」で働いている。施設の目の前に広がるのは、釜石の雄大な海。根浜海岸は散歩したり泳いだりするのに良く、シュノーケリングやシーカヤックなどのレジャーも楽しめる。一方で三陸復興国立公園のダイナミックな海岸もあることから、「釜石の海にはいろんな魅力がある」と語った。また、漁帰りの啓太さんだけでなく、地域の人々からも新鮮な魚介類や野菜をもらい、食卓が賑わうこともあると言う。将来は「海を楽しめることを地域の人々といっしょに作っていきたい」と奏子さん。「まずは気軽に釜石に遊びに来て、地域の活動に何度も参加してみてください。その中で縁が繋がっていきますよ」と、根浜海岸を前に笑顔で語った。
釜石の海は整備されているところもあるので、散歩にもぴったり
根浜シーサイドは授乳やおむつ交換が可能な「赤ちゃんの駅」